エアコンのドライ運転はカビ対策にならない?除湿の仕組みとカビ対策について解説

エアコンのドライ機能を使うと、室内の湿度を下げて快適に過ごすことができるようになります。このため、カビ対策として使えそうですが、実はエアコンがカビやすくなってしまうんです。なぜ除湿しているのにエアコンの中はカビやすくなってしまうのでしょうか。その理由と、実際にカビを予防できる対策方法を解説していきます。

 

 

<目次>

エアコンのドライ(除湿)運転とは

エアコンにカビが生える原因

なぜドライ(除湿)運転でカビが生えるのか

ドライ(除湿)運転でもカビを予防する対策方法

まとめ

 

 

エアコンのドライ(除湿)運転とは

ドライ(除湿)運転といっても、エアコンの中に乾燥材が入っているわけではありませんよね。それでは、エアコンはどういった仕組みで除湿を行っているのでしょうか。実は、ほとんど冷房と同じ仕組みになっています。冷房運転において、エアコンは室内の空気を取り込んでから内部の熱交換器でそれを冷やし、再び冷風として室内に送り出すことで部屋の温度を下げています。このとき、熱交換器で空気を冷やした際に元々含まれていた水分の一部が結露水としてエアコン内部に発生します。この結露水は溜まるとドレンホースを通して屋外に排出されるので、結果的に室内の空気中の水分量が減り、湿度が下がるというわけです。では、冷房運転に除湿効果があるのは分かりましたが、ドライ(除湿)運転とは何が違うのでしょうか。それは「出てくる冷気のパワーが強いのが冷房、弱いのがドライ(除湿)」ということです。冷房運転では室内全体の温度を下げるために冷風を部屋の隅々まで送り届けるパワーが必要です。逆に除湿運転ではエアコン内部に取り込んだ空気を冷やすだけのパワーがあれば良いので、出てくるのは最低限の冷風になります。このように「部屋の温度を下げない程度の冷房で湿度を下げる」という仕組みから、このような除湿機能は「弱冷房除湿」とも呼ばれます。また、機種によっては除湿したあと、もう一度空気を温めて常温に戻してから室内に出す「再熱除湿」という機能もあります。こちらは、室内の温度はそのままに湿度だけを下げることができる機能です。

エアコンにカビが生える原因

夏場にエアコンを使っていると、いつか必ずカビが生えてしまいます。なぜカビが生えやすいのか、その原因について解説していきます。

<原因①湿度が高い>
カビは湿度の高い場所を好みます。冷房運転を使用すると結露水が発生し、ある程度はドレンホースを通って排出されますが、それ以外の水分はエアコン内部に残ったままです。エアコン内部は暗く閉所で乾きにくいため濡れたままの状態が長く続いてしまい、カビが生えやすくなります。

<原因②適度な温度が保たれている>
カビは温度が20~30℃で急速に増殖していきます。エアコン内部はボディのパーツに囲まれており温度が保たれやすいため、カビが活発になり繁殖しやすい温度が保たれているのです。

<原因③ホコリ・汚れなどの餌がある>
エアコンが取り込む室内の空気にはホコリや汚れなども含まれており、運転しているうちに内部に付着していきます。このようなホコリや汚れはカビの栄養分となり、カビが繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。

なぜドライ(除湿)運転でカビが生えるのか

上で述べたようにドライ(除湿)運転は冷房運転と同じ仕組みで結露水を発生させることで除湿しているため、室内の湿度は下げることができるものの、代わりにエアコン内部の湿度は上がってしまいます。常に内部が濡れた状態が続くため、どうしてもカビの生えやすい環境になってしまうのです。エアコンの除湿機能を使う頻度が高い方は、日頃からカビ対策をすることが大切です。次に、簡単にできる3つのカビ予防法をご紹介します。

ドライ(除湿)運転でもカビを予防する対策方法

<①使い終わった後の内部クリーン運転>
ドライ(除湿)運転と紛らわしいですが、エアコン内部を乾燥させるための機能は「内部クリーン運転」です。冷房運転などの後には自動でこの内部クリーン運転が始まる機種も多いですが、こちらの運転をしっかり行って乾かしましょう。カビの繁殖を抑えることができます。

<②こまめなフィルター掃除>
エアコン内部にホコリ汚れが溜まっていると、それを餌にしてカビが増殖してしまいます。室内からの空気の取り込み口であるフィルターをこまめに掃除することで、内部へのホコリ汚れの侵入を防ぐことができます。エアコンのフィルターは簡単に取り外して水洗いできるので、月に1回または2週間に1回のお手入れをオススメします。

<③定期的に窓を開けて換気>
室内の空気が汚れていると、そのままエアコン内部も汚れて行ってしまいます。特に料理の際などは油を含んだ蒸気が発生し、エアコン内部に入り込んでしまうので換気するようにしましょう。部屋の空気をキレイに保つことでエアコン内部を汚れにくくし、カビ対策にもなります。

まとめ

ここまで解説してきたとおり、夏場にエアコンを使っていると必ずカビが生えてしまいます。ドライ(除湿)運転ではカビ対策にならないどころか、カビの原因にもなります。そのため、内部クリーン運転でエアコン内部を乾燥させたり、フィルター掃除や換気を定期的に行うことが必要です。また、内部クリーンをすることでエアコン独特の嫌な臭いを抑えることもできます。
エアコンの変なにおいは冷房で解決!?プロが解説する原因と対策

他にもエアコンに関するトラブルや対処方法をほかの記事でもご紹介しておりますの。ご参考までにご覧ください。

エアコンから水が漏れて困る!原因と対処方法をプロが解説

エアコンが効かない!冷えない・温かくならないときの原因と解決方法

エアコンから突然異音が…異音の原因・対策教えます

2024年4月
« 1月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930