エアコンの暖房が効かない原因は?確認すべき4つのポイント

冬の寒い時期には欠かせない暖房。しかし、エアコンの電源を入れてもなかなか暖房の効果が実感できない場合があります。そんなとき、どこに原因があるのか、効率よく部屋を暖めるにはどうすればいいのか、暖房が効きにくい原因とそれらの改善方法をご紹介します。

 

< 目次 >

原因その1:リモコンの問題

原因その2:室内機(エアコン本体)の問題

原因その3:室外機の問題

原因その4:部屋の問題

故障かな?と思ったら

まとめ

 

原因その1:リモコンの問題

<リモコンの不具合>
エアコンがうまく動かない原因として、まずリモコンの不具合が考えられます。リモコン側がうまく動作しなければ温度の設定などがエアコン本体に反映されず、部屋が暖かくならないことがあります。リモコンが正常に動作しない時は電池の残量が少なくなっていることが多いので、電池交換をしてみましょう。また、長年使っているリモコンであれば電池ボックスに汚れが溜まり、端子から通電しづらくなっている場合があります。電池ボックスや電池バネの端子を掃除してから入れると、作動するようになる可能性があります。小さなくぼみ等に配置されているリセットボタンを押して、リモコンを再起動することで使えるようになる場合もあります。これらの方法を試してみても動作が回復しない場合は、リモコンの買い替えや修理を検討する必要があるでしょう。リモコンが動かないときは、エアコン本体に付いている応急運転のボタンで直接操作することもできます。ボタンの場所や操作手順はエアコンによって異なるので、説明書などを見て確認してください。説明書が手元に無いという方は、エアコンの型番で検索してみましょう。各メーカーのホームページで説明書が公開されています。

<リモコンの設定ミス>
リモコンが正常に動作している場合、リモコンの設定を間違えている可能性があります。確認するポイントは以下の5つです。
①運転モードが「冷房」「除湿」「送風」になっていないか
②設定温度が低くなっていないか
③風量が「微風」や「弱」になっていないか ※1
④風向きが「上向き」になっていないか
⑤「省エネモード」「お休みモード」になっていないか ※2

※1:風量が弱いと、空気を温めるための圧縮機の回転数も下がってしまいます。暖房の効きが悪いと感じたら少し強めに風量を設定してみましょう。 
※2:省エネ・お休みモードなどの控えめ運転になっている場合、様々な能力がセーブされている場合があります。設定を解除してみましょう。

 

原因その2:室内機(エアコン本体)の問題

<フィルターが汚れで詰まっている>
エアコンフィルターにホコリや汚れが溜まってしまうと、フィルターの目が詰まって空気をうまく吸い込むことができなくなり、風量が下がることで暖房の効きが悪化します。エアコン内部のカビが繁殖する原因にもなるので、エアコンをよく使っている期間中は、1か月に1度を目安にフィルター掃除をするようにして下さい。

フィルターヤニ、ホコリ

 

<内部が汚れで詰まっている>
フィルターを掃除しても室内機から吹き出される風量が少ない場合、エアコン内部の熱交換機が詰まっていることが考えられます。長年使われているエアコンだと、内部の熱交換器(アルミフィン)にカビやホコリなどの汚れが大量に付着して空気流路を完全に詰まらせてしまっていることがあります。そのような場合、エアコンは全力で運転しているのに吹出口から風が少ししか出てこないような状況になってしまっています。このように、エアコン内部が詰まって風通りが悪くなっている場合はエアコンクリーニングを業者に依頼して、アルミフィンや送風ファンの汚れを取り除くと風量が上がってエアコンの効きが改善します。

 

<空気がうまく取り込めていない>
エアコン本体の上部には、室内の空気を取り込む吸込口が存在します。上から被せるタイプのエアコンフィルターを取り付けていている場合、そのフィルターにホコリが溜まるなどして吸込口から空気が取り込めなくなっている場合があります。いくらエアコンが空気を温めても、それを送り出せければ部屋が温まらないので、ちゃんと空気を取り込めているのか一度確認してみましょう。

 

原因その3:室外機の問題

<霜取り運転>
暖房を入れてしばらくは温風が出ていたのに急に止まってしまい、10~15分ほど経ってから暖房が再開した場合は、霜取り運転が行われていた可能性が高いです。霜取り運転とは、外気温が5℃を下回るような状態で暖房運転を行うと、室外機のアルミフィン部に霜がびっしりとついてしまうようになるため、それを溶かして取り除くための作業です。霜が付き過ぎると空気を取り込めなくなり、暖房の力が弱くなるため暖房運転を一時的に止めて、霜取り運転が行われます。急に暖房が止まってしまうので「故障かな?」と誤解されることも多いのですが、どのエアコンにも基本的に備わっている機能です。暖房運転のために必要な作業なので、慌てずに再開を待ちましょう。

<室外機の不具合>
室外機のファンが正常に作動していないと、暖房の効きが悪くなります。外から飛んできた植物の破片やホコリなどのゴミが室外機に入り込んでファンの動きを邪魔する場合があります。そのため、室外機も定期的に様子を確認して汚れを掃除するようにしましょう。また、運転中の室外機のファンがしっかりと回っているか、異音が発生していないかも確認して下さい。1年に1~2回、エアコンを使い始めるシーズンの前にチェックすれば大丈夫です。室外機のメンテナンス方法については下記の記事に詳しくまとめてあります。

エアコン室外機に掃除は必要?実は知らない室外機メンテナンスの真実!

<空気がうまく取り込めていない>
エアコン本体と同じように、室外機が空気を取り込めなくなると暖房が効きにくくなります。室外機の周りに物が置かれている場合は、別の場所に移動させるか片付けましょう。また、室外機の周りを覆うようなカバーも空気の取り込みが悪くなる原因になります。室外機の吹き出し口を塞いでしまうと、吹き出した風が逃げていかず運転効率が落ちるためです。室外機の周辺はスペースを広く取り、前面を塞がないように気をつけましょう。
夏場に冷房を使う際は室外機にカバーやすだれなどの日除けを設置すると冷房の効率が良くなります。これは、直射日光で室外機自体が熱くなってしまうと空気を冷やすためにより多くの電気を使うことになり、冷房の効きが悪くなってしまうからです。逆に、冬場は空気を温める必要があるため室外機に直射日光を当てて、周辺温度を高めることで方が節電効果があります。日除けなどを付けている場合、冬は外すようにしましょう。ただし、雪の多い地域では前面から雪が入り込んだり凍結してしまったりする恐れがあります。雪に埋もれないために室外機の位置を高くする台を設置しましょう。もし、室外機が雪に埋もれてしまった場合は空気の通り道を確保するため、室外機周辺の雪かきをしましょう。エアコンの前後左右20~30cmの距離を空けることを意識し、室外機の上に積もった雪も取り除いてください。

 

原因その4:部屋の問題

<外から冷気が入り込んでいる>
いくらエアコンをつけて暖房していても、外から冷気が入り込んでいると部屋の温度が上がりにくいです。築年数の古い物件では建物自体が劣化し、ドアや窓枠などに歪みが出てくるとどうしても隙間ができてしまい、そこから外の冷たい空気が入ってきてしまいます。隙間テープなどで対策しましょう。隙間テープはサッシの窓枠の間や、窓ガラスとサッシが接着されているゴムパッキン部分など、冷気が入り込みやすい場所に貼ることで断熱効果を発揮します。

<窓から熱が逃げている>
寒い冬の日の部屋の熱は、50%以上が窓から逃げていくと言われています。窓の上から断熱剤を貼ったり、熱を逃がさない厚手のカーテンに取り替えることで対策しましょう。窓から逃げる熱を軽減することで、暖房効率が大幅にアップし省エネにもなります。

<室内の上の方に暖かい空気が溜まっている>
上述のように窓の断熱性が低いと窓辺で空気が冷やされて、下降気流が発生し床を伝って冷たい空気が流れてきます(コールドドラフト現象)。つまり、暖房を使用しても暖かい空気は上に、冷たい空気は下に滞留して寒く感じてしまいます。このように床と天井の間で温度のムラができていると暖房の効果を実感しづらいので、暖房の風向設定は必ず下向きにしましょう。また、サーキュレーターや扇風機を天井に向けて使うのも効果的です。天井付近に滞留していた暖かい空気を循環させることで、足元の冷たい空気の偏りを防ぐことができます。

 

故障かな?と思ったら

色々試してみても状況が改善しない場合、エアコンが故障している可能性があります。次の手順に沿ってどのような不具合が起きているのかを確かめていきましょう。エアコンの修理業者であれば専用の工具を使ってガス圧測定や内部状態のチェックを行いますが、一般のご家庭でもエアコン本体から出る風の温度・風量を確認していくことで、不具合の原因をある程度は特定することができます。

  • 吹き出し温度が低い場合 → 室外機の汚れや冷媒ガス漏れ、コンプレッサーの劣化などが原因
  • 吹き出し風量が弱い場合 → 室内機の汚れなどが原因

まずはエアコンの暖房の効きが悪くなってしまった原因を探っていくため、どちらの症状に当てはまるか下記手順を参考にエアコンを起動し、温風の状態をチェックしていきましょう。

【①エアコン本体を再起動する】
エアコンも精密機械なので様々な原因で異常動作を起こし、暖房のパフォーマンスに悪影響を与えることがあります。このような場合には、本体をリセットすることで問題を解消することもできますので、以下の手順に従って試してみましょう。

  1. まず、エアコンが動作している場合には、リモコンで電源をOFFにします。運転ランプやタイマーランプが点滅している場合は、既にエアコンの動作が停止していることが考えられるため、そのまま次の手順に進んでください。
  2. 次に、エアコンの電源コードを抜いてください。もし、電源プラグが高い場所にあって手が届かない場合は、エアコンのブレーカーを落とすことでも構いません。家庭用エアコンの場合、電源は室内機側のコンセントに接続されていますので、このコンセントを抜くことでエアコンに流れる電気を遮断することができます。ブレーカーは「落ちた=電源が切れた」という言うように、スイッチが下側にある状態が電気を遮断していることを意味しています。
  3. エアコンの電源を切った後、1分待ってからコンセントを差し込む、またはブレーカーを上げることで通電させてください。家庭用エアコンの場合コンセントは室内機にしかないので、この操作によって室外機も同時にリセットされます。なお、リモコンに付いているリセットボタンはリモコン自体をリセットするためのものであり、エアコン本体の再起動とは別物であることに注意してください。

【②応急運転ボタンで起動する(基本動作確認のため)】
一般的に、家庭用エアコンには「応急運転スイッチ」が付いています。このスイッチはエアコン本体の下側か前面パネルを開けた場所に設置されており、この機能を使用することでリモコンを使わずにエアコンを起動することができます。ただし、応急運転では省エネモードや温度の細かい設定などはできないエアコンがほとんどです。応急運転スイッチを使用した際の操作方法やエアコンの動作はメーカーや型番によって異なるため、詳細については取扱説明書を確認してください。古いタイプのエアコンでは、設定温度が25度に固定され温度調節などができないものが多いです。応急運転スイッチを使用してエアコンを強制起動し、正常に機能することが確認できた場合、基本機能に問題はなくリモコンや設定に不具合がある可能性があると分かります。

【③室外機の動作を確認する】
エアコンを起動させたら、室外機の動作を確認しましょう。室外機のファンが回っていることや、コンプレッサー(圧縮機)の駆動音が鳴っているか(運転中にブーンという音がします)を確認してください。機種によって差異がありますが、エアコン本体の電源を入れてから2〜3分後に室外機が動き出すことが多いです。遅い場合は10分程度動かない場合があるので、動いていなければ10分後にも様子を見に来て判断しましょう。室外機のファンやコンプレッサーが動いていない場合は、異常を検知したエアコン本体にも室内機のランプが点滅したりエラーコードが表示されたりします。

【④室内機の動作を確認する】
室外機の動きを確認したら、今度は室内のエアコン本体から風が出ているかどうかを見ます。エアコンが動くためには、上述した室外機のファン、次にコンプレッサー、そして室内機のファンの順で動き出します。これらの3つの動作が確認できれば、とりあえずエアコンが動いたことになります。ここで吹き出し口から出てくる風がぬるい場合は、暖房機能が働いていない可能性があります。この場合、原因として考えられるのは1. 室外機の汚れ、2. 冷媒ガス漏れ、3. コンプレッサーの劣化 などが挙げられます。室外機を掃除してみても改善されない場合は、一度専門の修理業者に見てもらようにしましょう。また、風量が弱い場合はエアコン本体側の不具合と考えられるため、エアコンの分解クリーニングを行うことで改善する可能性もあります。エアコンクリーニング業者への依頼も検討してみてください。

エアコン オーバーホール

当社でも「エアコンの効きが悪くなったので修理業者に見てもらったら、クリーニングすれば治ると説明された」というお客様からお問い合わせを頂くことがあります。カビくさくて嫌な臭いも解消できる、当社のエアコンクリーニングをご検討ください。当社ではサービスについて、よくある質問や実際にクリーニングを行った様子は下記の記事にまとめてあります。

エアコン掃除の相場や作業内容等の解説!お掃除のプロ業者が徹底的に教えます!

エアコンクリーニングのよくある質問

京都府長岡京市 エアコン掃除 (日立製)

 

まとめ

考えられる原因をいろいろ試してみてもやはり部屋が暖まりにくいと感じたら、エアコンが故障していて暖房が効かなくなっている可能性がります。動かない場合は早めに業者に修理依頼をしましょう。故障したまま使い続けてしまうと、もっと大きなトラブルを引き起こす可能性もあります。まずはメーカーに問い合わせて、専門の修理業者にエアコンを一度見てもらいましょう。また、外が非常に寒い日は、エアコンだけでは暖房が追いつかなくなることがあります。ホットカーペットや床暖房など他の暖房器具も併用してみるのもオススメです。また、気温が低くても湿度が高いと寒さを感じにくくなります。 加湿器を使って室内の湿度を上げるのも効果的ですよ。

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