現在、多くのエアコンには内部クリーンという機能が搭載されており、各リモコンなどにも記載されています。エアコン内部を乾燥させるための機能ですが、自動で運転が切り替わるため暑いなか急に温風が出てきて鬱陶しく感じたり、風と一緒にジメッとした臭いにおいが出てくる場合もあります。今回は、年間5000件以上のエアコンクリーニングを行う「京滋の清掃会社.jp」が、エアコンの内部クリーニングの機能と効果について解説します。
<目次>
内部クリーン機能とは
エアコンの内部クリーンとは、弱い暖房または送風運転を行うことでエアコン内部を乾燥させる機能です。通常、夏場に冷房または除湿運転を行うと熱交換器で空気を冷やす際にエアコン内部で結露水が発生します。結露水の多くはドレンホースからベランダなどの外に排出されますが、残った水滴や湿気がエアコン内部にカビを発生させてしまいます。それを予防するために内部を乾燥させカビが生えないように保つため機能が内部クリーンなのです。最近のエアコンの多くは冷房を使ったあとは自動的に内部クリーン運転に切り替わるようになっており、冷房を使い終わると温風が出てきて蒸し暑さを感じる人もいるのではないでしょうか。あれは中の湿気を外に出しつつ、乾燥させていたんですね。メーカーや機種によっても変わりますが、内部クリーンの運転時間はおよそ60~120分で、内部に発生した水分をすみずみまで乾燥させます。自動で行われない場合はリモコンの内部クリーンのボタンを押し運転を切り替える必要があるものもあります。
フィルターのホコリを自動で掃除してくれる「自動お掃除機能付きエアコン」というものがあるので混同しがちですが、このように内部クリーンは「エアコン内部を乾燥させるための機能」です。エアコンのフィルターのホコリを取ったり、内部の汚れを掃除することはできません。また、カビを予防することはできても既に内部で繁殖してしまったカビを除去することはできないので間違えないようにしましょう。
そもそも、なぜ内部クリーンが必要かというとエアコンの内部には必ずカビが生えてしまうからです。これはエアコンの構造・仕組み的な問題であり、冷房や除湿運転をしたとき結露水が必ず発生してしまうことに起因しています。特に夏場のエアコン内部は適度に湿気と温度が保たれておりカビにとって格好の繁殖場所です。内部で大量に繁殖したカビはエアコンの風とともに室内へ胞子をばらまき、喉の痛みや喘息などのアレルギー症状を引き起こす場合があります。このようなカビを除去するには専門業者にエアコンクリーニングを依頼して分解洗浄する必要があります。何回も業者に依頼していると費用がかさんでしまうので、できるだけ長くエアコンを清潔に使うためにも、内部クリーンは大切な機能です。
内部クリーン運転の使い方
<内部クリーン運転がなかなか終わらない>
上でも述べた通り、内部クリーン運転は自動で始まりますが60~120分と長時間稼働します。「なかなか内部クリーンが終わらなくて心配になる」というご相談を頂くこともありますが、これは内部に発生した水分を隅々まで乾燥させているためです。2時間以内であれば、正常に動作しているので問題ありません。また、内部クリーン運転は終わるとエアコンの電源が自動的に切れるようになっているので、終わるまで待っている必要もありません。
<途中で内部クリーンを停止させてもいいのか>
内部クリーン運転は途中で停止できるものもあります。これによって故障したり、不具合が起こったりすることはありません。しかし、内部乾燥が不十分な状態になってしまうので、カビの繁殖が早まってしまいます。できるだけ最後まで運転させましょう。運転中にリモコンの「停止」ボタンや「内部クリーン」ボタンを押すことで中断できるものが多いです。
<内部クリーンのランプが点滅しているとき>
エアコン本体の「内部クリーン」のランプが点滅しているときは、自動お掃除機能付きエアコンであれば「ストリーマユニット」や「ダストボックス」にゴミが溜まっているサインです。自動お掃除機能付きエアコンのそれらの部品は、フィルターから取ったホコリ汚れが溜まっていきます。そうしたホコリが溜まってきたサインなので、前面パネルを開けてホコリを捨てましょう。お手入れをしてもランプの点滅が消えない場合は、フィルターや前面パネルが正しく取り付けられていない、ズレている可能性もあります。今一度、エアコンの部品をきちんと取り付けてみましょう。
<内部クリーン機能がない機種は>
古いエアコンだと、内部クリーンと呼ばれる乾燥機能がついていない機種もあります。そのようなエアコンでも、使用後に送風運転を行うことで内部の水を乾かすことができます。注意しなければならないのは自動で停止する機能が付いていないので、60分ほどを目安に電源を切るのを忘れないようにしましょう。
内部クリーン中の臭いにおいの原因
内部クリーン中は、湿気を含んだ空気が吹き出して風が臭く感じられることもあります。この風が臭い原因は、内部に発生しているカビや汚れが原因です。湿気をたくさん含んだ空気が、これらの嫌なにおいを乗せて風となり室内中に運ばれてしまいます。部屋でタバコを吸っている場合は、フィルターなどについたヤニ汚れのにおいが出てくることもあります。内部クリーン機能は室内機のカビを予防しますが、すでに付着した汚れは取り除くことができません。
内部クリーン中の臭いにおいの対処法
内部クリーン中の臭いにおいが気になるときは、以下のような対処法があります。
①部屋を換気しながら内部クリーン運転をする
内部クリーンはエアコン内部の湿気を乾燥させてくれますが、その湿気は室内に放出されてしまいます。さらに弱い暖房運転になることも多いので、嫌な臭いのするジメジメした温風に長時間さらされることで、熱中症など気分が悪くなる場合もあります。そこでオススメなのが、部屋を離れるタイミングで内部クリーニングを設定するのがオススメです。内部クリーン機能は所要時間の運転が終われば自動的に電源が切れるようになっているので、つけっぱなしでも大丈夫です。夜などの比較的過ごしやすい時間帯に換気しながら内部クリーン運転をするのも良いでしょう。
②エアコンのフィルターを自分で掃除
とにかく臭いにおいが気になるという場合は、まずは自分でできるエアコンのお手入れをしてみましょう。最もホコリが溜まりやすいエアコンのフィルターは、前面パネルを外すだけですぐに取り外すことができます。ホコリやカビ汚れが内部の方まで入り込んでいない場合は、フィルターを掃除してホコリ汚れを取ることで嫌なにおいが改善される可能性があります。
③エアコンクリーニングを依頼して分解洗浄
自分でフィルターを掃除した程度では改善しない場合、すでにエアコン内部でカビが増殖していると考えられます。エアコン内部のカビ状況を見極めるポイントは、エアコンのルーバー(風が出てくるところ)から内部を覗いてみてください。そこから見える範囲にカビの黒い粒が表れているようであれば、さらに内部の部品の周りにはカビが大量に繁殖していることが予想されます。エアコンの内部のカビは、空気を冷やすための熱交換器の周りからルーバーの方へ風の出てくる順路に沿って増えていきます。ルーバーから中を覗いてみて真っ黒であれば、早めにエアコンクリーニングを依頼して分解洗浄を行ってもらいましょう。カビくさくて嫌な臭いも解消できる、当社のエアコンクリーニングを是非ご検討ください。当社のサービスについて、よくある質問や実際にクリーニングを行った様子などは下記の記事にまとめてあります。
エアコン掃除の相場や作業内容等の解説!お掃除のプロ業者が徹底的に教えます!
まとめ
エアコンの内部クリーンはカビを予防してくれる大切な機能です。できるだけ運転を途中で中止したりしないようにしましょう。内部クリーンの運転中に臭いにおいがする場合は、まず換気をしてみましょう。カビやホコリのにおいがするならフィルターを取り外して掃除することで改善される場合があります。それでも嫌なにおい無くならない場合は、内部クリーンの機能ではどうにもならないので、専門の業者へエアコンクリーニングの依頼を検討しましょう。